【上海の弄堂散策】田子坊などローカルスポットガイド|おすすめエリア・見どころ

上海

上海といえば、高層ビルや近代的な都市景観が思い浮かびますが、実は路地裏に広がる「弄堂(ロンタン)」と呼ばれるエリアにも、伝統的な生活文化が息づいています。この記事では、上海の弄堂を散策する際のおすすめエリアや見どころ、ローカルな体験を紹介します。

この記事はこんな方におススメ
  • いつもとは違う上海の見どころが知りたい
  • ローカルな体験を通して中国の文化を知りたい
  • 弄堂の散策エリアを知りたい

上海の弄堂とは?

弄堂(ろんたん)とは上海の方言で、上海の古い街並みに残る路地裏のエリアを指します。上海の弄堂は、石庫門(シークーメン)と呼ばれる伝統的な建築様式が特徴で、歴史を感じさせるレンガ造りの建物が並びます。ここでは、地元の人々の日常生活が垣間見られ、観光地とは一味違った上海の魅力を体験できます。

弄堂の成り立ち

上海の弄堂は、19世紀後半に西洋と中国の文化が融合して生まれた独特の住宅街です。当時、上海は国際貿易の中心地として急速に発展し、多くの外国人や中国人が集まるようになりました。その結果、西洋風のレンガ造りと中国伝統の庭付き住宅を組み合わせた「石庫門(シークーメン)」という建物が誕生しました。これが弄堂の基礎となり、細い路地とレンガ造りの家々が並ぶ、現在の弄堂の姿が形作られました。

弄堂は、特に旧フランス租界(法租界)エリアに多く残っており、租界時代の国際色豊かな雰囲気を今に伝えています。路地裏を歩くと、石庫門のレンガ壁や細い路地から、上海の歴史と文化を肌で感じることができます。租界時代の名残を色濃く残す弄堂は、上海の過去と現在が交錯する貴重なスポットです。

おすすめ弄堂散策エリア

実際に弄堂を訪れてみようと思っても「どう回ればいいんだろう?」と思いますよね。ここでは、アートやクラフトが集まる田子坊エリア、静安区の路地裏、そして旧フランス租界の3つのエリアを中心に、おすすめの弄堂散策エリアをご紹介します。それぞれのエリアが持つ個性を楽しみながら、上海の隠れた魅力を発見してみましょう。

田子坊エリア

田子坊は、アートやクラフトショップが集まるエリアとして知られていますが、周辺には古い弄堂も残っています。

1990年代以降、低コストで利用できるということもあり地元や海外から多くのアーティストが集まりその独特な雰囲気を形成していきました。繁華街では目にできない中国雑貨や、アート等ここでしか手に入らないものもあるので、ぜひチェックしてみてください。

静安区の路地裏

地下鉄2号線の「静安寺」駅がある静安区は、1700年以上の歴史がある静安寺をランドマークとし高層ビルが立ち並ぶ洗練されたエリアです。

ビジネス街や南京西路を中心とする街並みの一角に弄堂があり、その様子はとても異質な雰囲気があります。上海の中心部にあり、比較的落ち着いた印象がある静安区の弄堂はより現地の雰囲気を体感できます。

旧フランス租界

旧フランス租界(法租界)は「准海中路」を中心にフランスが租界先として独自の自治権を行使したエリアです。

赤提灯などの印象が強い上海ですが、このエリアは統治された当時の色を濃く残しており外灘とはまた違った雰囲気で散策を楽しむことができます。

地下鉄10・11号線「交通大学」から徒歩5分ほどの「武康大楼」はランドマークとして有名で、古い建物をリノベーションしたカフェなどがあり地元の人にも人気のスポットです。

弄堂散策の見どころ

弄堂散策では、上海ならではの伝統的な建築様式やローカルマーケット、隠れ家的なカフェやレストランなど、さまざまな見どころが待っています。石庫門(シークーメン)と呼ばれるレンガ造りの建物や、地元の人々の生活が感じられる活気あるマーケット、路地裏にひっそりと佇むおしゃれなカフェなど、散策をより充実させるポイントを押さえておきましょう。

伝統的な建築様式

上海の弄堂には、石庫門(シークーメン)と呼ばれるレンガ造りの建物が多く見られます。これらの建築は、19世紀から20世紀初頭にかけて建てられたもので、上海の最も典型的な建物様式でした。

現在では近代化の波により市内でもその姿が減ってきていますが立ち並ぶ高層ビルと赤レンガ調の石庫門は今でこそ見れる貴重な光景です。

ローカルマーケット

弄堂の中には、地元の人々が利用する小さなマーケットがあります。新鮮な食材や日用品が並び、活気あふれる雰囲気を味わえます。

個人的には一番地元の方と交流を楽しめるスポットなのでぜひ立ち寄ってみてください。

ただし地元の方が大半なため、当然英語は通じません。買い物に必要な中国語は事前にチェックしておくといいでしょう。

隠れ家的カフェとレストラン

路地裏には、地元の人に愛される隠れ家的なカフェやレストランが点在しています。

おすすめコースで紹介した旧フランス租界の「武康大楼」周辺にも古い建物をリノベしたカフェがあり、「liile BAKER&SPICE 武康大楼店」は周辺の景色を眺められる場所にあるためぜひ訪れてみてください。

lille BAKER&SPICE(武康路店)

営業時間:08:00~21:00
住所:上海徐匯区淮海中路1877、1879号底层-2室(靠天平路口)
地下鉄10号線 「交通大学」駅より徒歩370m

田子坊の映えスポット3選

弄堂はそのノスタルジーな雰囲気から街全体が映えスポットとして人気です。狭い路地の中にある雑貨や隠れ家カフェなどをバックに写真を取ればたちまちフォトジェニックな写真を撮ることができるでしょう。

ここではその中でもおススメのスポットを3つ紹介します。

レンガ造りの路地とアートな壁画

田子坊の特徴的なレンガ造りの路地は、非日常な風景を写真に収めることができます。さらに、所々に描かれたカラフルな壁画やアート作品を背景に写真を取ればたちまちフォトジェニックな写真を撮影することができるでしょう。

おしゃれなカフェや雑貨店の看板


メインストリートの「泰康路210弄」路地沿いには個性的なカフェや雑貨店が並び、看板やディスプレイがインスタ映えするポイントに。特にヴィンテージ風の看板や、中国らしいデザインの店舗が人気です。

屋上からの眺め


田子坊には「泰康テラス」など屋上テラスがあるカフェやショップがあり、そこから見下ろす路地の風景は絶好の撮影スポット。レンガ造りの街並みと現代的なビルが共存するコントラストが、独特の雰囲気を演出します。

弄堂散策の注意点

弄堂散策を楽しむためには、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。路地の狭さや迷いやすさ、地元住民のプライバシー尊重、衛生面への配慮、そして現金の準備など、快適に散策するためのポイントを確認しておきましょう。準備を万全にして、上海の路地裏を存分に楽しんでください。

路地の狭さと迷いやすさ

弄堂の路地は非常に狭く、複雑に入り組んでいることが多いです。

上海は発展の歴史から繁華街でも一歩裏手に入れば全く違う雰囲気を覗かせる場合があり、注意が必要です。

地図アプリを使っても迷ってしまうこともあるため、散策する際は目印になるような看板や建物を覚えておき心配であれば人通りの少ない道は通らないということも視野に入れましょう。

地元住民のプライバシー尊重

弄堂は地元の方々の住居となっているため、プライバシーに気を付ける必要があります。

特にSNSに撮影した写真をアップする際には著作権や肖像権の侵害にならないように配慮を心がけましょう。

<肖像権の侵害になる可能性が低いケース>

  • 被写体を特定できない
  • 被写体本人に許可をもらっている
  • 場所が撮影されることを予測できる
肖像権の侵害が認められる条件と侵害された時に気をつけるべきこと | 法ナビit より引用

衛生面に注意

弄堂によっては、ゴミが散らかっていたり、排水が路上に流れていたりすることがあります。歩きやすい靴を履き、衛生面にも気をつけましょう。特に雨の日は、路地が滑りやすくなるので注意が必要です。

現金の準備

弄堂内の小さな店舗やマーケットでは、クレジットカードが使えないことがあります。中国はかなりキャッシュレスが進んでいるため基本的には問題ないですが現金を用意しておくと便利です。

中国のキャッシュレス事情については、こちらも要チェックです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

外灘や南京路など主要な観光地はもう訪れた方や、宿泊日数が長い方はぜひ弄堂を訪れて昔ながらの上海の雰囲気を楽しむこともおススメです。

特に田子坊や旧フランス租界(法租界)はオシャレなカフェやここでしか手に入らない中国雑貨など、主要な観光地では中々できない体験をすることができます。

ワッツチャイナでは、上海観光を考えている方に向けて旅行前の準備に役立つ情報を発信しています。ぜひこちらの記事もチェックしていってください。