「中国では食事を少し残すことがマナー」
中国の食事についてのマナーでこういったことを聞いたことはないでしょうか。
ビジネスや留学などで、中国人と食事をする機会がある方へ
中国のマナーについて分かりやすく解説します!
食事を残すことは時と場合による
結論からいうと、食事を少し残すかどうかは「時と場合」によります。
みなさんのイメージ通り大皿料理にほんの少しだけ食事を残し「もうお腹いっぱいになりました」と招待してくれたホスト側への謝意を示すこともあれば、日本人のように完食することも普通にあります。
では「この場合は少し残した方がいいの?」
「マナーと分かってても、何か少しもったいない気がするし」など迷ったりしますよね。
そこで次の項では、実際に少し残した方がベターな場合をお伝えします。
フォーマルな場合は残す場合もある
中国では、相手をおもてなしするために
お腹いっぱいになって満足してほしいという風習があります。
ビジネスシーンや目上の方と食事をするフォーマルな場合は、
「お腹いっぱいになって大変満足しました」と感謝の気持ちを表すこともありました。
もちろん食事の残す他にもさまざま気を付けたいポイントがありますので、
特に正式な場ではマナーを知っていると「この日本人は違う」と一目置かれることでしょう。
そんな中国の食事マナーですが、近年は少し事情が変わってきているようです。
風習は変化してきている
世界的に起こっている食品ロスへ向けた取り組みにより
中国政府も近年では食べ残しを減らすよう発信してきました。
そんな中、2021年4月には「反食品浪費法」が制定され可決。
国をあげて食べ残しを無くす動きに変わってきています。
今ではもし完食した場合でも、「追加で注文しますか?」と聞いてくれますので
基本的には食べきり、言葉で招待してくれたことへの感謝を伝えましょう。
Q.反食品浪費法とは
過剰な量を食べ残した客に対して、店側が処分費用を請求できる法律
大量注文で食べ残しが発生した場合最大20万円(1万元)の罰金が科されることも
また大食いを取り上げた番組や動画配信も禁止し、違反者には約200万円(10万元)以下の罰金を科す。
中国料理の基本マナーを知ろう
ここまで中国の食事マナーについて解説していきました。
では、他にはどういったマナーがあるのかさらに詳しくみていきましょう。
中には日本では当たり前とされていることも、
中国ではマナー違反となる場合もあるので注意が必要です。
基本の食事マナー
目上の人から食事を始める
中国では日本のように全員揃ってから、「いただきます」をする習慣がないため
主賓や目上の人が箸をつけてから食事を始めます。
料理は自分の箸で取り分ける
大皿料理に自分のお箸で取り分けるのは少し気が引けますが
そのまま自分のお皿へ取り分けます。
中国料理では自分の分を取り分けることが基本ですが、他の人に取る時も自分のお箸を使い取り分けます。これは同じ箸を使うことで相手との距離感を縮め、仲良くなるという気持ちの表れからです。
取り皿はその都度交換する
日本の方の中には、極力一つのお皿を綺麗に使いながら食べるという方も少なくないかと思います。
しかし取り皿は料理ごとに変えることができるため、遠慮せず新しいお皿を使いましょう。
円卓は時計周りで食事を取る
円卓で食事をする際は、目上の人から順に「時計周り」でテーブルを回していきます。
この時注意したいことは立って食事や調味料を取ることはマナー違反とされますので、
必ず自分の席に座って取り分けましょう。
ただし全員分取り分け終わったら、取りやすい順番で回しても大丈夫です。
食事中のマナー
取り皿は持ち上げて食べない
レンゲと茶碗以外は取り皿をテーブルに置いたまま頂きます。
また大皿から自分のお皿へ取り分ける際も、置いたまま取り分けます。
日本人の感覚だとなんだがマナー違反のような気がしますが、
お皿をもって食事をすると忙しくなく、何だか貧乏くさい印象があるようです。
口から出したものはテーブルクロスへ
レストランで食事をしたことがある方は、
テーブルの上にエビや魚の骨などが置かれていることにビックリした方もいるのではないでしょうか。
中国ではテーブルクロスやナプキンが汚れていればいるほど
汚れているほど「美味しかった」という事になるので、テーブルクロスごと取り替えるお店が一般的です。
麺類をいただくときは音を立てない
麺類やスープをいただく際はレンゲを使って静かにいただくことを心がけましょう。
中国に限った話ではありませんが、音を立てて麺をすする行為は外国人からはよく思われません。
特に中国人は敏感な方が多い印象なので気を付けましょう。
食事後のマナー
食後は箸を横に
食後は箸を横に置くことで、食事が終わったことを表します。
箸を縦に置いている場合「まだ食事中」と思われてしまうため、必ず横にして置きましょう。
割り勘はしない
中国人は何よりも面子(メンツ)を重要視します。
そのため会食や招待された場合は、快くご馳走になりましょう。
フォーマルな場合以外でも、基本的に招待した側が支払うのが一般的ですので
この点を理解することが重要です。
円卓について解説
さて、そもそも中国料理では回転台を回し料理を取り分ける
特徴的なスタイルになっていったのでしょう。
ここでは円卓の歴史と共に、座る席順や意味合いについても解説していきます。
円卓は元々日本発祥だった
特徴的な円卓ですが、実は日本発祥。少し意外ですよね。
日本初の総合結婚式場「目黒雅叙園(がじょえん)」の創業者である細川氏が1932年に考案したそうです。中国料理は取り分けが必要で、そのためにお客さんが立ったり座ったりする必要があるため
各自で取り分けやすいように考案したことがキッカケで出来たテーブルとのこと。
その後台湾を通じ中国全土に広がっていきました。
円卓ではどこが上座にあたるのか
では招待された食事当日、円卓ではどこに座ればいいのでしょうか。
結論ゲストは主賓(上座)の両脇へ座ることが一般的です。
ただし当日席を案内されるケースがほとんどですので、
ホストに従って案内された席へ座りましょう。
中国料理では入口から一番遠い席が上座となり、
次に上座から向かって左側が2番目、上座から右側が3番目と交互に続いていきます。
これは中国の皇帝が南に向かって座り、左手に太陽が昇る東を上位としたためです。
まとめ
ここまで中国料理での食事マナーについて解説しました。
日本ほどマナーに厳しくないイメージの中国料理ですが、
意外と細かいルールというものも存在しています。
一見マナーが悪いイメージがある中国人ですが、同じように文化があり
日本同様ゲストをおもてなしする気持ちがあります。
これから中国人と食事をする機会がある方はぜひマナーを理解して
友好的な関係を築けるように願っています!
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。